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初恋温泉

吉田修一の「初恋温泉」を読みました。
すごく描写がきれいで、なんかゆっくりとした時間が流れているようでした。
そう、本当に温泉に来ているかのように...。
短編集になるのですが、同じ温泉に来るというシチュエーションでも、それぞれの人にはそれぞれのドラマがあって、それは現実でも同じことなんだなと改めて思いました。
私としては、ちょっと残念なのが、どのカップルの話も、もっと読みたかった...。
どれも、これからどうなっていくんだろうと、長編小説だったら、これからクライマックスに向かっていくという加速を始めそうなところで、残念ながら終わっています。
だから、妻に別れ話をされた人は、その後本当に別れたんだろうか。
自分が別れ話をされた理由がわかっただろうか。
初めて一緒に温泉にきた高校生はちゃんと夜は過ごせたんだろうか。
微妙に男の子と女の子の気持ちにずれが生じ始めていたけど大丈夫だっただろうか。
そんなことが気になってしまい、後ろ髪を引かれる思いがしてしまいました。
出てくるキャラクターの会話や行動を楽しむ本ではなく、情景や心理描写などを楽しむ小説です。

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